肝っ玉オカン道

私が私の肝っ玉オカンになって私を育てていく記録

そっかの魔法

この夏、ピノ子に肌荒れが出ました。

アトピー性皮膚炎っぽい感じ。

 

それで、私の心は揺れに揺れました。

24時間ピノ子の肌のことが心を離れることはありませんでした。

「何をすれば治るのだろう?」

「どうしてこんなことになってしまったのだろう?」

 

お医者にも連れていったし、

そもそもお薬をあまり使いたくなかったので、お薬を使わないあらゆる方法を模索しました。

 

そして。

食べるもの、部屋の掃除、着るものに異様に気を遣い、

規則正しい生活を死守し、

私の生き方考え方が何か間違っているというサインなのか?と、自分を厳しく責め、

コボちゃんが産まれてからピノ子との時間が足りなかったのかもしれないと、ピノ子と力任せに向き合い、

夫には 家庭より仕事に意識が向きすぎているからではないか?となじりました。

 

めちゃくちゃ肩肘に力込めまくって、

ピノ子の症状を改善しようと心がけました。

 

 

だけど心の中では、

「何で?何で?何で私だけ?!」って思いがずーっと離れませんでした。

よその子のキレイな肌を見てはため息をつき、

肌荒れが出る前の写真を見てはため息をつき、

ブログなどで子供の肌トラブルに悩む同じような方を見ては、ピノ子の方がマシかもしれないと正体不明の優越感を抱き、

肌トラブルを解消するための方法を説く専門家の記事を読んでは、不安定な希望を見出していました。

悲劇のヒロインだった私。

 

 

挙句ピノ子を威圧的にコントロールしようとして、母娘関係は着々と悪くなっていました。

だって、ピノ子のお肌の為だもの。そう唱えながら。

 

 

でも、このやり方は違うんじゃないかって、、、

心の芯では違和感を持っていました。

 

 

 

そんなある日、

私のやり方に強制的にストップがかかりました。

 

乳腺炎でした。

ピノ子の時も、こぼちゃんの時も非常に順調なお乳さま。

 

半年くらいを除いて、この四年以上ほぼ毎日お乳さまにお世話になり、

日本とタイぐらい、友好的な関係だったのですよ。

 

そんな中、突然お乳さまは、身を呈して私のやり方にストップをかけて下さいました。

 

 噂では聞いていたけれど、

強烈なしこり、熱感、そして39度を超える高熱にフラフラになりながら、

 

「あぁ、やっぱり違ったんだ。」

ということだけはよく分かりました。

 高熱とひどい頭痛は苦しかったけど、

これでやっと終われる、と実はホッとしていました。

 

 

1週間ちょっとかな、

助産師さんや鍼灸師さんや整体師さんそしてカウンセラーさんなどなど、

いろんな方のお世話になり、お乳さまと私の身体と頭の興奮は落ち着きました。

 

 

んでね、私。

ピノ子の皮膚炎しか見てなかったなぁって思いました。

あれやこれやと躍起になって取り組んでいた事は、肌の荒れてるピノ子を否定する気持ち。

 

こんなんピノ子やない!早く早く戻さなければ。治さなければ。

って、皮膚炎のピノ子を受け入れられなかった。

状況を変えたい変えたいって思ってました。そのために奔走してました。

 

 

やけどね。

そもそも そんなにいけない事なのかな。

きっと意味があるんだろう、だけど今は分からない。それでも良くない?

いや、意味がなくてもええやん。 

 

 

荒れてるな。

それを、ただ「そっか」と受け入れてみる。

 

 

 

 

 そう思った日から、

皮膚炎に対して何かをするということをやめました。

 

クリームを塗ったり、粉をはたいたり、レメディを取らせたり、お風呂に入れるか悩んだり、お灸をしたり、ピノ子が気に入らない服を着せたり、眉間にしわ寄せながら拭き掃除したり、お菓子を取り上げたり。

そんなエトセトラが、今の状況を否定する気持ちでやっていたから。

だから、止めてみた。

 

 

ほなね。

別に変わらへん。なんも。

肌は荒れとる。

 

 

やのに、私の中でピノ子の肌の事を考える時間がぐーーんっと減りました。

いわゆる問題が小さくなっちゃったというやつ。

私の中で「皮膚炎のピノ子」が、「ピノ子」に戻った。

 

 

「そっか」

ただそれだけ。

 

 

そして緩んだ私には、いろんな気付きというプレゼントが届きました。 

 

でね、問題意識ってのを少し勘違いしてたかも知れないなと思いました。

 

事が起こったらそれに向き合って、対処する方法を幾つも用意して、状況を改善していく。

 

人に頼ってばっかりの、何もしない愚かなお母さんで居てはいけない!賢いお母さんにならなくちゃ!

 

が、問題を大きくしてた。

 

 

「そっか」

ただそれだけで良かったのね。

「受け容れる」ってこと、

ずーっとずーっと分かった気になってたけど、こういう事やったのかもな。

文章にしたらこんなもん。やけど、私の中では大きな発見でした。

 

 

いま、肌は快方傾向です。

ピノ子は時たま痒そうにしてる。

私も患部を見ると心がチクっとする。

 

でも、

あんなに何かに追われて対処してた時より、 ピノ子の治るチカラを信じられてるのよね。

ま、大丈夫か って。

すごーくラクちん。

 

このピノ子の皮膚炎は私に、
自分を取り戻させてくれたのかも知れないな。 

 

 

 

そっか。

そっか。

そっか。

 

 

肝っ玉オカン道は続く。