肝っ玉オカン道

私が私の肝っ玉オカンになって私を育てていく記録

葛藤する、美しきピノ子

こんにちは。

 

ピノ子、新しい幼稚園が始まって約2週間。まだまだ毎日緊張で張り詰めているんでしょうね。

幼稚園帰りは毎日公園行きたがってたピノ子が、今は終わったら「すぐ帰ろう!」モード。お友達と公園や園庭で遊ぶより、ママとコボちゃんと3人で過ごしたい感じです。

 

それでも毎朝「行きたくない」とは言わず過ごしていたのですが、こないだついに園門くぐるのが無理になりました。

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その日の朝、なかなか用意しないから私もカリカリしてて。時間ギリギリやから慌てて向かったんですよ。

そして慌てて降りようとするピノ子の勢いで自転車倒れそうになって、それでピノ子の糸が切れてしまったようです。

 

「もう幼稚園行きたくない」

「ママのせいだからね!」

「もう帰る」

コボちゃんばっかりずるい」

 と園門前で怒り出した、ピノ子。

 

しばし怒ったり泣いたりしていましたが、

「1人で行くから、ママとコボちゃん帰って!」と立ち上がり、園門に向かおうとするんですよ。

 

だけどやっぱり行きたくない。足が進まない。でも頭では、行かなくちゃ!と分かってる。だけどどうしても心が付いてこない。怖い。

 

小さい小さい一歩を数歩は進むんですが、すぐ戻ってきて、ママのせいだよー!と怒りながら泣く。

「行きたくないー!」と、「1人で行くから!」を行ったり来たり。

一緒に教室まで行こうか?とか、今日は休んで、お家帰ろうか!と提案するものの、決めかねる。

 

その間ものの10分くらいですけどね。もぅ、ピノ子のその様子があまりにもみずみずしくて、心がジンジンしました。

 

私だって、嫌で嫌で足が進まない時あるよね。頭では行かなあかんって分かってるけど、 心が進まないとき。世界が脅威に思えて仕方がないとき。

だけどいつの間にか、そんな心の柔らかい思いを振り切って足を進める根性というエンジンを搭載しちゃってるんですよ。怖いのを隠して頬を吊り上げて笑う装置を顔に装着しちゃってる。そうしないとこの世界は生きていけないと思い込んでるから。

 

やけど、葛藤するピノ子の様子を見て、この美しい葛藤に最後まで付き合って寄り添いたいなぁと思いました。結果なんてどうでもいい。

そしたら、今まで無視してきた自分の心の柔らかいところに寄り添ってる気分にもなりました。

 

ひとしきり葛藤したピノ子は、自分のタイミングで、「1人で行ってくる!」と私の手を振り切って門をくぐりました。

下駄箱に行く途中でやっぱり止まって。それ見て一緒に教室まで行こうか?と声をかけると、表情が柔らかくなって、一緒に教室まで向かいました。

 

教室で最初は表情が強張ってましたが、先生がケアしてくれたのもあり、その日は楽しく遊んで帰ってきました。

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不安な気持ちを安心して出せたら、そして存分に葛藤できれば、自分のタイミングでどうするか決められるんですよねぇ。

その上でやっぱり不安な時は、手助けをしてもらってもいいし、やり方を見つけたらいい。

 

ピノ子が座り込んで葛藤してる時、周りにいたお母さんが声をかけてくれはったんです。お友達みんな待ってるよーとか、先生居るよーとか、みんなと遊んだら楽しいよーとか。もちろん善意で、ピノ子を応援する気持ちで声かけてくださったんやと思います。

でもピノ子的にはそれはとても気になること。注目されると余計居心地が悪くて、どうしようもなくなり、混乱して私に抱きついて泣きました。

そして、善意で声かけてくださってるのは重々承知の上で、「ちょっと説得しないでくれるかなー」と、正直思った私。

 

ピノ子はそんなん全部分かってる。だけど怖くてしんどくて嫌になってるんやから。必要以上に頑張ってるんやから。この葛藤に、大きく寄り添ってあげたいんやから。 

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そう思いながら、ふと思ったんですよ。私、自分が葛藤してる時、こうやって自分を説得してるなぁって。

 

葛藤って苦しいから、何とかして抜け出したくなるし、焦りは募るし。そんな状況を脱したくて、自分に正論を振りかざして説得しちゃうんですよねぇ。

存分に悩んだり葛藤することを許せてない時があるよなぁ。

 

でも、解決策も方法論もべき論も、あのみずみずしくて美しい葛藤の、まるで芸術的なあの時間を汚す、無粋な行為なんやなぁと、ピノ子を見て思いましたよ。

あの一刻も早く手放したい、苦しい葛藤の時間がこんなに美しいなんてね。感動すらしました。

 

私も、私が葛藤してる時、「美しいもの」を見る目で寄り添ってあげられるかなぁ。苦しくて辛い葛藤の時間を、大事に抱きしめられるようになれるかなぁ。 

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追記。

周りのお母さんがピノ子に声をかけてくださった時、やっぱり私も焦りました。

これ、私が説得してピノ子なだめてクラスに連れて行かなあかんのちゃうかな?そんな、母としての力量みたいなものを試されてるような気になりました。

んで一瞬焦って、どうにかしなちゃ!と思ったんですが、でもそれ以上にピノ子の葛藤が美しくて、それに寄り添いたかったから。

「少し時間が必要なので大丈夫です〜!ありがとうございます」と言えた私。めっちゃイケてた!と、自画自賛しました。

 

んで翌日ピノ子は、 お休みしました。存分に家でゴロゴロして、そのまた翌日の朝。

なんかさぁ、コボちゃんのこといいなーって思うよ。ママと家でゴロゴロできてさぁ。でも、家にいてもつまんないし、幼稚園も行けば楽しいって分かってるんだよねぇ。でも、行くまでがドキドキするんだよねぇ。

と教えてくれました。

ピノ子がこんなに自分の状況や気持ちを話してくれることってなかなか無いから、私飛び上がるほど喜んで、へー!そーなんやぁー!とウキウキで聴いて。

そして、その日は颯爽と1人で教室まで向かいました。きっと何かひとつ吹っ切れたのやろうなぁ。

 

毎日ちょっとずつ、クラスの子の名前を覚えて帰ってきて、たまに福岡のお友達の名前を出して「遊びたいなぁ。」と呟いて。 

私は、そんなピノ子のみずみずしさに触れて、毎分感動してる感じです。

生きる力持ってるなぁ。出すもの出して休んだら、吹っ切って前に進めるのなぁ。。。

さて私も励もうっと。

 

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こないだお土産で頂いた阿闍梨餅。私の和菓子ランキング第1位!(長らく1位過ぎてもはや殿堂入りしてる。誰が興味あるねん)

 

肝っ玉オカン道は続く。